小説『約束の森』感想。動物嫌いの僕も、動物好きになりそうです

   

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僕は昔っからの動物嫌いです。

そんな僕が今回ご紹介するのは、ドーベルマンと主人公の活躍を描いたハードボイルド作品、沢木冬吾氏の『約束の森』という作品です。

なぜ動物嫌いのくせに動物メインの小説を買ったかというと、オビの「10万部突破」の文字に惹かれたからです。

オビで衝動買いしたのは故児玉清さんが「僕は号泣するのを懸命に歯を食いしばってこらえた。が、ダメだった」と書かれていた『永遠の0』以来です。

この『約束の森』読んだ感想としては

犬欲しい!!

って感じです。動物嫌いのこの僕が真剣に犬の購入を考え、犬種に関して一晩ググったくらいですから相当なものです。

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魅力的な登場人物

登場人物たちは全員が暗い過去や心の傷を持っており、人間味溢れる魅力的なキャラクターとして登場します。

まず主人公の奥野侑也は、元警視庁特別装備部隊員(特殊部隊みたいなもんでしょうか)として勤務していましたが、20年前に妊娠中の奥さんを殺されてしまうという悲惨な過去があります。

それ以来、うだつの上がらない中年親父として怠惰な日々を送っていたのですが、かつての上司のツテで、僻地のモーテルの管理人という仕事を紹介されます。

普段はモーテルの従業員として普通に働くのですが、この仕事には警視庁絡みの別の作戦が隠されています。

そのモーテルで奥野は、右腕を失った若い自衛隊員「隼人」、そして幼い頃から母親のネグレクトを受け、小学校にも通ったことの無い「ふみ」の三人と偽の家族を装って生活することになります。

片腕がないゆえに自分の存在価値を証明してみせたいという若い情熱を持つ隼人は、凄腕の部隊員だった奥野に最初のうちはライバル心を抱き、ことあるごとに非協力的な振る舞いをします。

しかし3人が危機的な状況になるにつれ、奥野の実力を認めだした隼人は、彼を偽りではあるにせよ父親的存在として認めていきます。

また、ふみもこれまで親という存在の愛を知らずに育ってきたのですが、奥野のことを「親父どの」と呼んで慕うようになります。

本書の中心的存在、ドーベルマン:マクナイト

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そして本書で中心となるのが、ドーベルマンの「マクナイト」です。以前の客がモーテルに捨てていったのを、モーテルの従業員たちで飼うことにしたのですが、実際誰もマクナイトの面倒を見ることは無く、はてには地元の若い連中に闘犬まがいのことをさせられ虐待されていました。

由緒ある血統を持ち、警備犬としての訓練を受けているはずのマクナイトですが、主人公が彼を発見したときは見る影も無いほどガリガリにやせ細った姿でした。

以前ハンドラー(犬の訓練士)の経験がある主人公はマクナイトを保護しますが、人間に対し心を閉ざしてしまったマクナイトは、全くいうことを聞きません。

でも、熱心に寄り添う主人公にマクナイトは・・・

って感じです。まあ言うまでもなく、主人公とマクナイトの絆が本作の魅力なんですけどね。

共同生活をすることになった3人は、言わば過去に人間に裏切られ続けてきた3人なんですよね。いいかげん「人間なんか信じれない!もうどうでもいいや!」って気にもなりそうなものです。

その中にあってドーベルマン:マクナイトの存在は、犬という動物の誠実さ、人間と絆を結ぶことの出来る能力みたいなものを感じさせます。

敵の存在も欠かせない

主人公たちの前には、数々の敵が立ちふさがります。マクナイトを虐待していた地元の若い連中や、多国籍組織「N」、はてはスカベンジャーと呼ばれる殺人集団など、終盤は息もつかせぬ怒濤の展開へ突入します。

ある理由によって命を狙われる「ふみ」。それを守ろうとする奥野と隼人。(どっちも超強い)二度と大切なものを失いたくないという決意が、彼らを突き動かしていきます。

そして主人公が危機に陥ると必ず助けにくる奇跡の犬、マクナイト。

人生にとって大切なものとは?もう一度、人を信じてみようと思わせる良作。

少しずつお互いを理解し、信頼を深め合っていく主人公たちを見ていると、人生で大切なものとは何なのか、後悔しない人生を送る為にどうすればいいのか、改めて考えさせられる良作です。

そしてもちろんマクナイトの活躍を見てこう思うわけです。

マジで、犬欲しい!!

 -書評

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