対テロ戦争に日本はどう立ち向かうべきか。予想できる2つのシナリオ

      2015/02/05

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ISILによる後藤さんと湯川さんの誘拐・殺害事件で、日本はテロとの戦いに突入したといわれています。

今後日本が取るべき対応はどのようなものでしょうか。日本政府はどんな方向に進もうとしているのでしょうか。

このブログではこれまで政治的な内容をまっっったく取り上げたことが無かったのですが、あまりにも今回の事件で様々な事を考えさせられたので、所見をまとめてみたいと思います。

テロの枢軸、ISIL(イスラム国)ってどんな連中?

2014年に突如として現れたアルカーイダの流れをくむ軍事過激派組織です。現在のところ主にイラクとシリアの一部地域を支配下に置いていますが、もちろん国際社会はこんなものを国とは認めていません。

シリア政府軍と反政府軍との戦争で流出した武器で武装しており、もはやテロリストの枠組みでは語れないほどの軍事力を有しています。今のところは。

現在メディアでは「イスラム国」の名称で報道される事がほとんどですが、ひとつ押さえておかなければいけないことは、イスラム国とイスラーム教徒であるムスリムの人々は<全然別もの>であるということです。

ムスリムのことを学んでおかないと、<イスラムの人々=テロリスト>と完全に誤った解釈になってしまいます。

その意味ではまず「イスラム国」という名称による報道は止めるべきです。テロ集団の名称にまんま「イスラム」と入ってたらまずいだろうと。しかも国家でもないのに「国」って入ってるし。

その教義はイスラムの教えに過激なまでに忠実と言われています。残酷な刑罰や処刑などもいといません。でもイスラーム自体の教えは「飲酒しない」とか「姦淫」しないとか「困っている人に施しをする」とか本当にこんな人がいたらめちゃめちゃ真面目でいい人になれるやん!というようなとっても良いものです。

これはこれで考え方としては良いのですが、なにぶん連中(ISIL)は罪と罰のバランス感覚がおかしい。

先進諸国からすれば、この程度の罪で腕切り落とされるんかい!断首されるんかい!と驚くような暴力的的刑罰です。

本来は人としてより質素に生活し、堕落した悪人にならないようにしていくというのが最も重要なイスラームの教えなのですが、彼らテロリストは敵対者の殺害は「ジハード」だからOKという全くもって自分に都合の良い解釈をしているわけです。

なのでテロうんぬんの前に「基本的人権を侵害している」として国際社会から非難を受けるのも当然です。

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対テロの先鋒、アメリカ合衆国

正直、アメリカの事を悪く書くと検閲されるんじゃないかと思ったりします。ザックリ言うと先進国&軍事大国ってことになるんですが、いかんせん彼らは戦いが好き過ぎます。

国民が人間らしく生きるための「基本的人権」はしっかりと保障されており、それによって身を守る手段としての「銃を持つ権利」なども認められているのでしょうね。

そして欧米諸国の人々もやっぱり彼らの倫理観で動いてますから、例えば女性差別があったり、刑罰のバランスがおかしかったりする中東に対しては

「我々のような進んだ社会が、人権を侵害している未発達な地域の国民を解放する!」

というような正義感にかられるわけです。多分欧米諸国は「国としての体裁を保っていない国には多少強引な事をやっても問題ない、だって僕らが思う国家ではないから」くらいのことは考えていると思います。

で、具体的に彼らがいう国家の枠組みと言うのは

  1. 大統領制または議会制民主主義
  2. 基本的人権の保障(自由権・平等権・社会権・参政権など)
  3. 福祉国家(公共の福祉に反する場合は、個人の権利を制限する。社会的弱者を援助する)

くらいは最低要求しているんじゃないかと。共産国家は1も2も網羅してない場合があるので、本当は大っ嫌いでしょうね。

なので中東地域での軍事展開は、アメリカからすれば彼らなりの「ジハード(聖戦)」ということでしょう。

アメリカはこれまでかなり無茶な戦争をやらかしてきていますが、特に忘れてはならないのは、イラク戦争において

イラクでは大量破壊兵器は見つかっていない

という事実です。大量破壊兵器を持っているからそれを出せ!さもないと攻撃するぞ!というのがイラク戦争の正当性だったわけですが、結果そんなものはありませんでした。

おいおい、あるかないかも判らんもの(実際は無かった)を出せと要求し(別にそれを使ったわけでもないのに)軍事侵攻し、多くのアラブの人々を戦火に巻き込むなんて、むちゃくちゃな国やなしかし。

そういえば、ヨルダン人パイロットの処刑にともない、ヨルダンも拘留中のISILのメンバーを死刑にするとの一部報道がなされてますが、そんなことやっちゃったらテロリストと同じじゃないかと思います。

2世紀前までは開拓の名の下に原住民をバンバン殺害し、黒人を奴隷として売り買いしていた欧米ですら、現在では加害者の人権を守る為に死刑廃止の方向に動いてるんですから、報復的死刑執行なんてやっちゃだめです。

日本はどう進むのか?

先日後藤さんの殺害を受けて、安倍首相は「彼らに裁きを受けさせる」と、今までに無いような強い語気で述べています。

ちょっと待て。そこは

遺憾の意を表明

するはずじゃないの?なんで「罪を償わせる」とか言っちゃってんの?

確かに後藤さんを殺害したISILの非道な行いは決して許されるものではありません。テロに屈する事は絶対に避けなければならないと思います。

でも、どうやって「罪を償わせる」つもりなんでしょうか?

第1のシナリオ:憲法9条改正、戦火に身を投じる

日本国憲法では

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

二項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

ということになっています。で、現在の日本の状況と言うのは明らかに「憲法に違反している」状態であるというのが法学者の主立った認識です。自衛の為であろうが、専守防衛であろうが、自衛隊のもつ戦力は明らかに軍隊のそれですからね。

集団的自衛権は閣議決定されてしまいましたが、これも明らかに憲法違反でしょう。攻撃されていない国に対して攻撃をするというのは、もう普通の軍隊です。

ただし、違う見方も出来ます。米ソ冷戦時は軍拡競争が活発になるなどの危機もありましたが、全世界は第二次大戦で完全に気付いていたはずです。

「人権とか人間らしく生きるとかって、結局戦争始めたら全部パーじゃね?平和な世界じゃないと自由もクソもねーよ」

そうであれば、軍拡は百害あって一利もありません。結局泣きを見るのは国民ですしね。また軍事予算は経済的に見ると再生産性がなくひたすら消費するものなので大きなマイナスとなります。

であれば軍事費を減らす為に

「オレとお前、半分ずつ軍事費出し合おうよ。で、どっちかが攻撃されたら二人で反撃するワケ」

というやり方は、軍拡を防ぎその分の費用を経済成長に回す為にはとっても都合がいい訳です。

軍隊を持ったり、集団的自衛権を発動するのは違憲だが、無理矢理それで押し通すんだったら一番効率がいい、ってことになります。

このように徐々に日本の9条見解を変更してきた自民党&安倍首相は、次に憲法改正を視野に入れるのは必然でしょう。そしてその根拠としては2つ考えられます。

  1. 現に自衛隊があるんだし、現実に見合った憲法に変えるべき
  2. 国際社会の要請に応え、日本が果たすべき役割を全うするため

まず(1)ですが、これは理論的にはむちゃくちゃな考え方です。そもそもダメッ!って書いてあるものを無理矢理解釈で歪ませ、結果こうなったんだから合うように変えようというのであれば、極論ですが「強姦して肉体関係があるんだから、お前オレの嫁ね」ってのもアリになってくるのでは。

憲法は日本国民による、国民の為の国を、そして国民の自由と権利が守られるように作られており、いってみれば憲法によって全国民の自由が守られています。

憲法をないがしろにして良いのであれば、政治に批判的な人間は逮捕され、主権は国民から権力者にあっというまに移るでしょう。

(2)の国際社会の要請に応えるってのは、まさに自衛隊が生まれてきた経緯そのものです。正直どこに自国の憲法より国際社会の要請を尊重する国があるでしょうか?

日本国憲法ってのは、立憲主義にもとづいて作られたものです。立憲主義とは

「憲法に規定されている国家を、憲法に規定されている手段で実現する」

ことが前提です。国際社会の要請、すなわち条約の締結は「日本国憲法」によってそのルールが定められています。その条約が、日本国憲法より上ってことは理論的にありえんだろうということです。

時代をひも解いてみると権力者というのは、かくも権力を濫用しがちです。(会社程度の小さい組織ですら、職権乱用・ハラスメントはたくさんあるわけですから)

国民は自民党いやどんな政党であっても、国民主権に基づき政府が正しい政策を行っているのかどうか、明治憲法時代のような戦争という悲しい出来事を二度と繰り返さないために、監視しなければなりません。

日本国憲法前文にはこう書かれています。

政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。

70年の平和が続いている日本では、まるで平和がタダみたいな感覚がありますが、表現の自由や学問の自由、思想信条の自由、男女平等、普通選挙権など先人たちが市民闘争の中で勝ち得てきた貴重な権利だと自覚すべきです。

安倍首相が良い悪いの話では無いんです。どこの国であっても、誰がトップであっても、国民がしっかり主権者意識を持っておかないとダメだということです。 それくらい本来戦争と平和は表裏一体のものなのではないでしょうか。

第2のシナリオ:非戦を貫く

欧米諸国とテロ(または中東の独裁国家など)との戦いは、そもそもお互い思想が違いすぎて相容れないものなので、激化していくはずです。

理想論と罵られるでしょうが、軍隊を強化して平和が訪れる事などありえません。破壊力が増せば増すほど被害が増えるのですから当然です。

トマ・ピケティさんは戦争の原因として資本収益率と経済成長率の乖離を指摘してますよね。ようは格差社会が進むと戦争が起こると。

しかし、もう人類は核兵器を生み出してしまっているので、本気でドンパチやれば人類が滅亡するのは目に見えてます。だとすると戦争は「どの程度の火力でやるの?通常兵器だけにしとく?」ってことになりますので、そんなルールに則ってやるんだったら、もうジャンケンでいいんじゃないかと。

なので人類の進むべき道としては、違う方法で解決していくしか無いんですよ。そう。日本国憲法にあるように

全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する

全世界平和ですからね。視野の広さが違います。さらに

平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。

外国を信頼して軍隊持たないわけですよ。まさにノーガード戦法。

軍隊持たないってことは究極の軍縮です。平和にめっちゃめちゃ近づきます。確かに

「おまえそんな事言ったって中国は軍事力伸ばしてるし、尖閣諸島はヤバいしで、軍拡しなくてどうするの?甘い事いってんじゃねー!」

という向きもあるでしょう。しかしアジア諸国、とくに日中戦争でコテンパンにやられた中国としては、未だに天皇制を維持している日本が怖くて怖くてしかたないわけです。そりゃそうでしょう、世界大戦時の大日本帝国軍の統帥権を持つ国家元首の子孫が、今でも日本の象徴ですから。

日本は元寇以来、他国から攻め入られた事は全くないのに、調子づくとアジアだろうが白人だろうがおかまい無しに戦争する民族なんて、回りから見たら恐怖以外の何者でもない。

なのでそこはこう、中国をなだめすかして仲良くやるべきでしょう。

さらにいえば、戦争だとスケールが大き過ぎて危機意識が希薄になっているのではと思います。だって戦争したら負ける事もありますよ。で、被害に遭うのは実際のところ軍人より女子供でしょう。アメリカさんについていれば絶対負けないとは言い切れません。

もっといえば、僕は福岡県民なのですが、ヤクザいっぱいいます。ほんとヤクザの抗争勘弁してほしいです。マジ近づきたくないです。○○組と△△組の抗争終わらせたいので、○○組に付きます!なんてことは絶対にしません。

規模は小さいですが、武力での争いっていうのはそういうもんだと思います。

だからここはひとつ、日本国憲法の理想に立ち返って、非戦・軍縮で進むべきです。

憲法改正で軍隊OK、集団的自衛権と先制的自衛権(これもまたおかしなアメリカ式理論だよなぁ。殴られそうだから先に殴るとか)で海外に軍隊派兵とかを推進ちゃうと、今までの歴史と変わんないじゃんと。ローマ帝国かと。

アメリカに追従するだけじゃなく、もっと日本らしい解決策があるような気がします。

例えば日本が払った人道支援金2億ドルで「貴方のAK-47(自動小銃ね)500ドルで買い取ります!」とかやれば、生活費欲しさにISILに入った青年はぶっこ抜けるんじゃないでしょうか。

または2億ドルかけて巨大なモスクを建造して、その公共事業費で雇用を促進させるとか。

世界に先んじて「軍隊無い」「戦わない」「平和は他の国を信じてるので大丈夫」というビューティフル・ドリマーな日本がその姿勢を守っていけば、世界は軍縮に進んで、全世界の人々が平和に暮らせる日がいつかくるんじゃないかと思ってます。最後に

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。(日本国憲法前文)

PS:僕ら日本人は以外と激情家なので、クソISIL!てめえら全員根絶やしにしてやる!って思う日本男児の気持ちもごもっともです。個人的にはそう思わなくもないわけで・・・。ただ、もう人類は紛争を解決する為の新たな方法を見出していかなければならないと思うんですよねぇ。

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